●英名:Cumin
●和漢名:ばきん、まきん(馬芹)
●学名:Cuminum cyminum L.
●科名:セリ科の一年生草本
●原産地:地中海沿岸、エジプト
●主産地:イラン、インド、ウクライナ、モロッコ、アルジェリア、シリア、マルタ島、キプロス島、シチリア島、エジプト、メキシコ、中国、トルコ
最も古くから栽培されてきたスパイスの一つで、紀元前16世紀に書かれた古代エジプトの医学書にもすでに記載されている。
種子をスパイスとして用いるが、この種子は形も大きさもキャラウェイシードによく似ており、使い方も共通するものが多いため、しばしば混同される。しかし、クミンの方がいくぶん細長く、特有の強い芳香をもっているため、慣れると区別できる。
最大の輸出国はイランで、ほかにもインド、ヨーロッパなどで広く栽培されている。それぞれの産地や品種、栽培条件の違いにより、香りや品質が大きく異なる。
クミンは、特有の強い芳香と、若干の辛味および苦味をもつ。単独で使うと薬臭い料理になってしまうことがあるが、他のスパイスとブレンドして使うことにより、エキゾチックな風味づけになる。
クミンの香りを分かりやすく表現すると「カレーパウダーの香り」である。実際、クミンはカレーパウダーやチリーパウダーなどには欠かせないスパイスである。
■クミンは、カレーパウダーやチリーパウダーの主要成分であるため、いろんな料理に利用できる。
■クミン単独ではなく2〜3種類のスパイスとブレンドして用いることで効果を発揮することができる。例えば、カレー料理にクミンシードをさらに加えれること、より一層スパイシーな仕上がりとなる。シードの方がパウダーよりも風味がよいため、シードのまま、または細かく刻むか挽いて使うとよい。
■肉料理によく合う。特にソーセージやミートソースなどの挽き肉料理に向いている。その他にも、チャツネやピクルスなどの風味づけに加えるのもよい。
■フランスやドイツではケーキやパン、オランダやスイスではチーズの風味づけに用いられている。また、クミンの精油はリキュールの香りづけにも使用されているため、果実酒やフルーツケーキを作る際にクミンの香りを加えてみるのも面白い。
■食欲増進、消化促進、胃痛・腹痛の緩和に効果を発揮する。また、抗がん作用や強壮効果があり、関節痛、生理不順にもよいと言われている。
■クミンの栽培は種子から行う。日当たり・水はけのよい肥沃な砂質のローム状土壌が最適である。
■種子の収穫は、枯れはじめてから行う。天日乾燥ののち、脱穀して種子をとる。
中世ヨーロッパでは「恋人の心変わりを防ぐ」という迷信が広く信じられ、騎士が戦場に行っている間、恋人が心変わりせぬようにとクミンシードを身につけたり、結婚式でシードをポケットに忍ばせたりする習慣が生まれた。
カレー料理に欠かすことのできないスパイスの一つ。チャツネの原料としても用いられる。その他にも、チリパウダー(メキシコ風混合スパイス)や北アフリカのクースクースなど、世界各地で使われるポピュラーなスパイスである。
クミンには、胃腸の調子を整える作用がある。クミンを頻繁に使うインドでは、油を多く使う料理が多いにもかかわらず、胃もたれしない。暑い日や、ちょっと疲れたかなというときは食欲が落ちてしまいがち。そんなときはカレー料理を食べると、元気が湧いてくるに違いない。